あすなろ法律事務所
相続税とその節税について(その3)

Q.相続税は税金の中でも節税しやすい税金ときいていますが、具体的にどのような節税対策がありますか。因みに私は、長年、同居していた夫を昨年亡くし、夫と生活していた自宅及び夫が自営していた店舗等を相続しました。


A.
土地に関する節税
@ 土地を相続する場合に利用したいのが、「小規模宅地等の特例」です。故人と同居していた家族が不動産を相続する場合、土地の部分について330u(100坪)までの評価額を最大で8割減額できるという制度です。例えば自宅の宅地の評価額が7000万円の場合、7000万×(100%−80%)=1400万円となり5600万円減額になります。この場合の評価額は、あくまで税額を計算するための価格であり実際の価値は下がらないため、この特例は坪単価の高い土地ほど効果的です。なお自宅の土地の面積が330u以上の場合でも、330uまでは減額の対象となり、それを超える部分が通常の土地として評価されます。
A 夫が事業用の店舗を有していた場合の土地は、400uの限度まで80%の減額になります。さらに、賃貸していた土地の場合の土地は200uの限度まで50%の減額を受けることができます。
B それ以外に@墓地の近くにあるA崖の近くにあるB大きな土地を分割して歪んだ土地(不整形地)になったC騒音の酷い場所にあるなど、その使用が敬遠される場所にある場合にも、土地の評価は下がります。
2 住宅取得資金の贈与
@ 次に20歳以上の子や孫が住宅の購入や新築、増改築するための資金を親や祖父母が出す場合、最大3000万円(夫の親から1500万円、妻の親から1500万円など)までは贈与税はかかりません。但し、贈与を受ける人は@贈与を受けた年の翌年の3月15日までに住宅を所有するA贈与を受けた年の翌年の3月15日までに住宅に居住または遅滞なく入居することが確実B贈与を受けた年の所得額が2000万円以下であるC住宅の床面積が50以上240u以下で床面積の2分の1以上が居住用であることなど、様々な条件があるので非課税の特典を受けられるかどうか税理士に相談してみください。
A なお、この制度は令和3年12月末での期間限定でしたが、2年間延長され令和5年12月末まで利用できます。その後は不透明です。