身体障害補助犬法について
Q.身体障害者補助犬法とは、どんな法律ですか。
A.
身体障害者補助犬法は、良質な身体障害者補助犬の育成およびこれを使用する身体障害者の施設等の利用の円滑化を図り、身体障害者の自立および社会参加の促進に寄与することを目的に制定された法律です。法律自体は平成14年からありますが、この度改正され、改正法が平成28年4月1日から施行されています。
身体障害者補助犬の定義について、法は、
盲導犬(目の見えない人を導く犬)、介助犬(手足が不自由な人のためにドアの開閉や落とした物を拾う日常生活を手伝う犬)、聴導犬(耳が不自由な人のためにチャイムや電話のベルが鳴ったことを教える犬)というと定めています。
この法律で、公共の施設や交通機関において補助犬の同伴受入が義務づけられていますが、さらに、身体障害者を雇用している会社や事業所に補助犬を同伴しようとする場合、会社や事業主は、これを拒んではならないとされています(ただし、補助犬がいることで、業務遂行に著しい支障が生ずる恐れのある場合などは、この限りではありません)。
また、それ以外の事業所、例えば、デパート・飲食店・映画館などに入る場合や、タクシーの乗車などで補助犬を同伴する場合、身体障害者がアパートなどの賃貸物件を借りる場合に、補助犬の存在を理由にこれを拒まないように努めなければならないとされています(法は、努力目標としています)。
ですから、レストランの入店やタクシーの乗車を拒否されている補助犬同伴の身体障害者を見かけたら、お店の人や運転手さんに
「身体障害者補助犬法で同伴は認められています」と教えてあげてください。なお、法は補助犬であることを明確に識別できるよう、胴体に見やすいように補助犬の表示を行わなければならないと規定しています。補助犬は、一般の犬と異なり、
身体障害者を補助する犬として時間とかけて訓練され、人の迷惑にならない適切な行動をとる能力を有すると認められた犬です(加えて、補助犬を利用する身体障害者は、補助犬の体を清潔に保ち、予防接種や健診を受けさせ、公衆衛生上の危害を生じさせないように努めなければならないとされています)。身体障害者の自立を促進するためにも、補助犬の存在は大きいものがあることから、私たちは、補助犬が果たす役割の重要性について、さらに、理解を深める必要があります。