あすなろ法律事務所
赤切符・青切符等について(その1)

Q.先日、駐車違反ということで警察官からいわゆる「青切符」の交付を受けました。交通違反をすると、赤切符・青切符を切られるということですが、どのような意味を持つのですか。また、警視庁は10月末から自転車の交通違反に対しても「赤切符」を交付するということが新聞に出ていましたが、どういうことですか。

A.
 「赤切符・青切符」とは、道路交通法違反など交通法令に違反した車両の運転者に対し、警察官から交付される書面のことで、正式名は「道路交通法違反事件迅速処理のための共用書式」といいます。運転者に対し、違反の内容を告知することを主な目的としています。違反切符は、違反の内容の程度によって、赤切符、青切符、白切符の3種類があります。
 (1)赤切符は、重大かつ悪質な違反行為に切られます。例えば、@危険運転致傷罪に該当する行為、A酒酔い運転、酒気帯び運転、B救護義務違反(いわゆるひき逃げ)、C無免許運転、D高速道路では、時速40q以上、一般道では、時速30q以上の高速運転。
 上記の行為は、いずれも一度の違反行為によって、免許取消しまたは免許停止処分になります。さらに、赤切符を交付された運転者は、起訴という通常の刑事手続きやまたは略式裁判の手続きで刑事処分を受け、前科がつきます。 (2)青切符は、赤切符より、軽微な交通違反に切られるものです。例えば、@運転中の携帯電話の使用、A信号無視、B通行禁止違反、C追い越し禁止違反、D駐停車違反、E運転免許証不携帯、F高速道路40km未満、一般道路30km未満の運転などです。これらも、いずれも道路交通法違反として犯罪となります。しかし、この交通違反の件数が日常的に頻繁にあり、これらをすべて刑事手続きで行っていたのでは捜査機関や裁判所は、パンクしてしまいます。そこで、青切符に該当する交通違反(反則違反)については、反則金を納めれば、刑事訴追を免れることができるのです。これを「交通反則通告制度」といいます(道交法128条2項)。反則金の金額は、違反行為の類型ごとに定められており、定額で3000円(免許証不携帯)、高額では4万円(大型車の高速道路における35q以上40q未満の超過)。反則金は、青切符に添付された納付書に記載された期限までに、郵便局か銀行を通じて納付します。そこで、処分は終了し、刑事裁判に進むことはありません。しかし、不服があるとして、反則金を納付しない場合は、通常の刑事手続きに移行し、起訴される場合もあります。
 さらに、(3)白切符もあります。白切符は、単に「告知票」と呼ばれており、もっとも軽微な類型の交通違反に交付されます。例えば、@シートベルト着用義務違反、Aチャイルドシート使用義務違反、B乗車用ヘルメット着用義務違反で、白切符が交付された場合は、反則金を納付する必要はありませんが、免許証の点数違反として1点が加算されます。
 自転車にも赤切符が切られることがあることは次回に説明します。